昨年の12月にインタビューを受けたときに、「一般的にはアクセス解析と言われていますが、なぜ御社はウェブ解析なのですか?」とストレートに聞かれた。Omnitureに入社したころに、「うちはアクセス解析ではなく、ウェブ解析で通してます、他社と区別するために。」と教えられ、ブランディングと区別化であるということで納得した。また、「アクセス解析」という言葉の起源が「ウェブサーバーが持っているアクセスログの解析」から来ていると理解しており、訪問者行動データの収集方法が現在主流の「タグ型」と根本的に異なっているため、異なる表現を用いるのは当然だと思っていた。 英語でも「Web Analytics」という言葉が使われており、「Access Analytics」という表現は存在しない。
とは言え、せっかくのインタビューの機会だったのでもう少し面白く答えようと思い、次のような回答をしたと記憶している。
「自社のウェブサイト上での訪問者動向のみならず、訪れる前や離れた後の行動も含めて訪問者を理解することが重要なのです。なので、自社サイトでのアクセス状況に限定したアクセス解析ではなく、ウェブ解析なのです。」
そのときは口から出た言葉に対して、それなりにうまく表現できたと思った。訪問者の自社サイトへの訪問の前の状態や心理、訪問に至ったマーケティングキャンペーンの種類や内容、接していた媒体なども含めて訪問者を理解する。サイト内での「用事」を済ませた訪問者が、その後どのようにそのサイトに戻ってきたのか、どのようにサイト運営者(企業)と関わったのかなどを理解する。どれも重要なことだ。
ただ、よくよく考えてみると、「ウェブ解析」という言葉では不十分な気がしている。本当にウェブだけで事業を展開している企業は数多く存在するが、ほとんどの企業はウェブ以外の顧客接点も持っている。マスメディア広告キャンペーンの展開、実店舗での商品販売、face to faceでの商談など、当たり前のことだが企業活動の多くはウェブの外で行われている。こういったウェブ以外の顧客接点も含めて分析したほうが、顧客やサイト訪問者をより深く理解できるのは当然のことだ。
Omnitureが現在掲げているタグラインは、「The Leader in Online Business Optimization (オンラインビジネス最適化のリーダー)」だ。「オンラインビジネス」というと、「オンライン専業の企業」というニュアンスがあるが、「オフラインだけでなく、オンラインでもビジネスを展開している企業」と解釈すると、結構すっきりする。オンラインかオフラインに関わらず、すべての顧客接点を統合的に分析することで、オンラインビジネスを最適化することができる。
一般的には「アクセス解析」という言葉が最も主流で、「ウェブ解析」はある程度一般的になりつつある。「オンラインビジネス最適化」はまだまだ一般的というには程遠い状態だが、今後はもっと盛り上げて、一般化させたいものだ。